勤怠管理向けICカードリーダーのメリット・デメリット
ICカードリーダーは、正確な打刻や不正防止に役立つ一方で、運用条件によっては不便さが生じることもあります。ここでは、導入による利点と注意点を比較し、自社の環境に合った勤怠管理方法を検討するための材料をまとめました。
ICカードリーダーの
主なメリット
改ざん・不正がしづらい認証ログ
打刻時にカードID・日時・端末情報が自動で記録され、後からの削除や書き換えが発生しにくい運用が可能。手入力や紙台帳と比べて記録が明確に残るため、だれがいつ操作したのかを追跡しやすい点が不正抑止につながります。
監査時もログをそのまま提示できるため、説明にかかるコストを抑えられるでしょう。
交通系ICや社員証の活用で
導入ハードルが低い
既に配布済みの社員証や交通系ICカードをそのまま登録して使える機器も多いため、新規カード発行費用や配布・運用ルールの教育といった手間を抑えやすい点が大きな利点。
従業員側の操作も、カードリーダーにかざすだけで出退勤の打刻が可能なため、定着が早い点もメリットとなります。
PCレスでも運用可能なケースがある
ネットワーク環境や電源のみで単体稼働できるカードリーダーを採用すれば、パソコンとの接続が不要です。受付や工場ライン、倉庫などパソコンの設置が難しい環境でも、端末にカードをかざすだけで打刻が完了。
通信が不安定な現場では、一時的にローカル保存し、後でまとめて同期できるモデルもあり、現場運用の自由度が高まります。
ICカードリーダーのデメリット
カード紛失時のリスクと再発行コスト
カードの紛失・盗難が発生すると、不正使用を防ぐための停止手続きや本人確認、再発行の手配が必要。カード本体の費用だけでなく、発行作業や配送の手間、システム登録変更などの間接コストも発生します。
各所への影響を最小限に抑えるためには、紛失時の対応フローや臨時カード貸与の運用設計が重要です。
打刻場所が固定される
（在宅・出張には弱い）
据え置きのリーダーでしか打刻できないため、在宅勤務や直行直帰、出張先では利用しづらいケースがあります。
また、出入口が混雑する時間帯では、打刻待ちや連続での読み取りミスによる勤怠データの取りこぼしを招く恐れもあるでしょう。従業員数や執務室の環境、勤務形態に合わせた運用ルールを取り入れることが求められます。
カードとリーダーの
規格の不一致によるトラブル
ICカードにはFeliCaやMIFAREなど複数の方式があり、リーダー側が対応していないと読み取りできません。
同一規格でも挙動が異なる場合があるため、複数の方式が混在する環境では特に事前検証が重要。導入前には対応規格の明確化と、将来の増設を見据えた機器選定が求められます。
スマホ・PC・顔認証など、
他の打刻方式との比較
スマホ打刻との比較
スマホは通信があればどこでも打刻できる利便性が高いものの、位置情報の誤差や端末貸し借りによる不正などの管理リスクがあります。ICカードは端末・カードの組み合わせで物理的に打刻し、ログの正確性と監査性が高い点が強み。
スマホのように電池切れの心配がなく、電波状況に左右されにくい運用も可能です。
PCログオン型との比較
PCログオン型はパソコンの前に行かないと打刻できず、共有端末では切り替えや順番待ちが発生することも多々あります。
ICカードは受付やゲートなどに専用リーダーを置くだけで、通過しながら素早く打刻できるため、工場・倉庫・店舗などの現場でも効率的に運用可能です。
指紋・顔認証との比較
顔認証は非接触で衛生的、指紋は個人特定力に優れますが、認証機器の価格や照明・温湿度への影響、プライバシーへの配慮など導入ハードルが高くなります。
ICカードの場合、既存カードを活用できるケースも多く、低コストかつ短期間で展開しやすいのが特徴です。
まとめ
ICカードリーダーは、打刻ログの改ざんを防ぎ、社員証や交通系ICカードをそのまま活用できるため、導入しやすく運用も簡単です。パソコン不要で稼働する端末もあり、工場や受付など設置環境を選ばない点も魅力。一方で、カード紛失時の再発行手続きや据え置き型による運用制限、カード規格の不一致には注意が必要です。
ICカードリーダーを導入を検討するなら、自社のニーズを確認し、適した製品を導入することが重要。当サイトでは、導入ニーズに合わせたおすすめICカードリーダーを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
