医師や看護師など多様な職種を抱える医療機関にとって、勤怠管理の効率化と正確性向上は大きな課題です。ここでは、ICカードリーダー導入による改善事例を取り上げ、機器配置やシステム連携の工夫がどのように運用を支えているかをご紹介します。

富山県立中央病院では、日々1,300名以上の職員の出退勤を記録しており、打刻率は10~20%程度という状況でした。
院内には出入りの場所がいくつかありますが、導入した機器を「出勤用」「退勤用」「出退勤両用」の3つにわけて院内に配備し、出退勤のルートに合わせた導線設計を実施。導入直後の呼びかけも奏功し、打刻率も90%以上まで引き上げることができました。
医師や看護師など多様な職種を抱える医療機関が、従来のExcel管理や自己申告制の勤怠から、客観的で正確な打刻システムへ移行した取り組みです。医療現場では勤務体系が複雑で、特に医師の働き方を適切に把握することが難しいという課題がありました。
そこで、既存のアマノ製タイムレコーダーや各PCに設置されたPaSoRiリーダーを活用しつつ、操作性の高いシステムを導入することで、簡単かつ正確な勤怠管理を実現しました。
病院やクリニックなど24時間体制で勤務する医療現場では、複雑なシフト管理も加わり、勤怠管理の負担が大きくなります。
ICカードリーダーを活用した勤怠管理を導入することで、職員がカードをかざすだけで出退勤が記録されるため、打刻ミスを大幅に減らし、集計作業の効率化を実現できるでしょう。個別認証による正確性が高く、不正防止やセキュリティ向上にもつながります。
医療機関でICカードリーダーを導入する際には、職員証や交通系ICなど、既存のカードに対応している機器を選ぶことが重要。医療現場では、職員用の出入り口だけでなく緊急用の出入り口や正面玄関など、職員が出退勤する際に通る場所への設置も重要なため、据え置き型や壁掛けなどのタイプも見定める必要があります。
管理システムとの連携も重要となるため、ICカードリーダー単体ではなく用途に合わせて必要な機能を確認することがおすすめです。
医療機関でICカードリーダーを使った勤怠管理する場合、ICカードの方式やカードリーダーの設置環境にも注意が必要ですが、衛生面を考慮し、非接触型を選ぶことが重要です。
当サイトでは、用途や利用頻度に合わせた各社の製品情報や導入事例を紹介していますので、これからICカードリーダーの購入を検討している人は、ぜひチェックしてみてください。

非接触型のICカードリーダーといっても、利用環境や運用方法によって使いやすい製品は変わってきます。そのため、ここではよくある企業の導入ニーズに合わせておすすめのICカードリーダー3製品を解説します。
| 連携可能な システム |
クラウド勤怠システム※1や独自開発の勤怠管理システム |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | QRコード/顔認証 |
| 通信 | 無線LAN/有線LAN(PoE対応)/Bluetooth |
| 設置方法 | モバイル/卓上/壁掛け |
| 連携可能な システム |
アマノが提供する勤怠管理システム |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | 公式サイトに記載はありませんでした。 |
| 通信 | 無線LAN/有線LAN(PoE対応)/モバイル通信(4G LTE通信)※2 |
| 設置方法 | 卓上/壁掛け |
| 連携可能な システム |
公式サイトに記載はありませんでした。 |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | 公式サイトに記載はありませんでした。 |
| 通信 | Windows, macOSのPCへ接続 |
| 設置方法 | 卓上 |
※1 一部連携していないクラウド勤怠システムについては、カスタマイズにて対応。
※2 それぞれの機能を共存させることはできません。通信方法により機種が異なります。
※3 参照元:キングオブタイム公式HP(https://www.kingoftime.jp/record/)(税込表示)