避難訓練や災害時に活用できるICカードリーダーは、従業員が所持する社員証や交通系ICカードを読み取り、避難場所での点呼や安否確認を瞬時に行うための専用端末。読み取ったデータはその場で確認でき、必要に応じて無線で本部へ送信できるため、訓練や避難を妨げずに正確な人数把握が可能になります。
また、本サイトではICカードリーダーの導入を検討している方に向けて、選び方や各種モデルの比較など、導入に役立つ情報を多数掲載しています。
避難訓練向けICカードリーダーとは、社員証やICカードをかざすことで、避難状況を把握・管理するための専用端末です。
屋外に持ち運べるバッテリー駆動のモバイル型、FeliCaとMIFARE双方に対応したマルチ規格リーダー、Wi-FiやLTE経由で本部へリアルタイム送信できる通信機能、防塵・防滴・防水対応など、主に避難時でも利用できる機能が求められます。
石川県総務部デジタル推進監室では、能登半島地震を受けて被災地域でのSuicaを活用した避難所・避難者情報の把握を目指した取り組みを実施。入浴支援として、設置したカードリーダーにSuicaをタッチするだけで、施設利用が可能となるサービスは、高齢者をはじめとした被災者の方々に受け入れられました。
シーエスイーが提供するモバイル型リーダー「PiT-23」は、具体的な導入事例は記載されていませんが、活用例として避難訓練や災害時の利用が紹介されています。点呼人数をスピーディに収集し、避難完了を効率的に確認できるようになります。
卓上型やUSB接続型の一般的なICカードリーダーは1台数千円程度で購入できますが、屋外利用や通信機能を備えたモバイル型は本体だけで10万円前後になるケースもあります。
各機種によって、FeliCa/MIFARE対応やクラウド連携APIの有無、IP規格に応じた防塵・防滴・防水といった耐環境性能など、備えられている機能は様々あるため、使用シーンに合ったスペックを見極めることが重要です。
避難訓練向けICカードリーダーを導入する場合、自社の避難訓練シナリオを整理し、必要な機能や通信方法、運用人数に応じた機器を選定します。価格は端末費用だけでなく、クラウド利用料や保守費も含めた総コストで比較検討しましょう。
カードIDの登録作業やネットワーク設定を行う導入準備期間を経て、災害時の避難経路や避難場所に合わせて端末を設置。試験運用を実施し、読み取り速度や通信の安定性を確認したうえで本番訓練に移行します。
勤怠管理や出欠確認など他の用途でも併用する場合は、日常的な利用と災害時の利用それぞれでの利用に合わせたシミュレーションを実施しましょう。用途によって必要となる機能が異なるため、災害時以外での利用も検討している場合は、ICカードリーダーで何を管理するのかを明確にするためにも、各機種の機能一覧や導入事例を参考にしてみてください。

非接触型のICカードリーダーといっても、利用環境や運用方法によって使いやすい製品は変わってきます。そのため、ここではよくある企業の導入ニーズに合わせておすすめのICカードリーダー3製品を解説します。
| 連携可能な システム |
クラウド勤怠システム※1や独自開発の勤怠管理システム |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | QRコード/顔認証 |
| 通信 | 無線LAN/有線LAN(PoE対応)/Bluetooth |
| 設置方法 | モバイル/卓上/壁掛け |
| 連携可能な システム |
アマノが提供する勤怠管理システム |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | 公式サイトに記載はありませんでした。 |
| 通信 | 無線LAN/有線LAN(PoE対応)/モバイル通信(4G LTE通信)※2 |
| 設置方法 | 卓上/壁掛け |
| 連携可能な システム |
公式サイトに記載はありませんでした。 |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | 公式サイトに記載はありませんでした。 |
| 通信 | Windows, macOSのPCへ接続 |
| 設置方法 | 卓上 |
※1 一部連携していないクラウド勤怠システムについては、カスタマイズにて対応。
※2 それぞれの機能を共存させることはできません。通信方法により機種が異なります。
※3 参照元:キングオブタイム公式HP(https://www.kingoftime.jp/record/)(税込表示)