紙のタイムカードから、社員証(ICカード)で打刻する勤怠管理へ。導入前に「仕組み」「カード規格」「リーダーの種類」を押さえると、迷わず選べます。
ICカード式のタイムカードとは、紙に印字して出退勤を残す代わりに、ICカードのID(識別番号)を使って「誰が・いつ打刻したか」を記録する方式です。社員証や入館証にICチップが入っていれば、それを打刻用カードとして流用できるケースもあります。
基本的なやり方はシンプルで、①勤怠システム側で従業員とICカードIDをひも付け、②打刻端末(カードリーダー)を設置し、③出勤・退勤時にカードをかざして打刻します。打刻データはシステムに保存されるため、集計や転記の手間を減らしやすいのも特徴です。
勤怠の打刻でよく話題になる規格が、FeliCaとMIFAREです。どちらに対応しているかは、勤怠システムやカードリーダーによって異なるため、先に確認しておきましょう。
| 規格 | 主な特徴 | 身近な例 |
|---|---|---|
| FeliCa | 国内で普及が広い非接触方式 | Suica/PASMO、電子マネーなど |
| MIFARE | 世界的に普及、低コストなカードに採用されやすい | 社員証で採用される例も |
なお、公的な身分証で使われるType-Bなど、別方式のカードも存在します。「使いたいカード」×「対応するリーダー」×「勤怠システム」の3点セットで相性を確認するのが近道です。
ICカードで勤怠管理をするには、ICカードを読み取る専用端末「カードリーダー」が必要です。選び方は大きく運用方法(PC連動か、端末単体か)と、接続方式(接触か、非接触か)で整理すると分かりやすくなります。
PC連動型は、リーダー自体に画面がなくPCへ接続して使うタイプです。比較的導入コストを抑えやすく、まずは1拠点・1台で始めたい小規模オフィスに向きます。一方で、打刻に使うPCの常設や運用ルール(電源管理・自動ログイン等)を決めておくと安心です。
独立型は、端末単体で稼働するタイプで、有線LAN/無線LANなどでネットワーク連携できる機種もあります。拠点や部署ごとに打刻場所が分かれている場合でも、端末を追加して分散配置しやすいのが利点です。複数拠点で運用するなら、設定変更や利用状況の把握がしやすい管理方法(遠隔設定の有無など)もチェックしておきましょう。
接触型はカードを差し込む・接触させる方式で、通信が安定しやすい一方、利用頻度が高いと摩耗によるトラブルが起こる可能性があります。行政手続きなど、たまに使う用途では選択肢になりますが、毎日の打刻用途では運用負荷が出やすい点に注意が必要です。
非接触型はカードをかざすだけで読み取る方式です。出勤・退勤など毎日繰り返す打刻では、スムーズに通過できて行列ができにくく、接触が少ない分だけ故障リスクも抑えやすいのがメリット。紙のタイムカードから置き換えるなら、まず非接触型を軸に検討すると選びやすくなります。
紙のタイムカードは打刻時刻を紙面に印字し、集計は人が行います。ICカードはカードをかざした時刻がデータとして記録され、集計や給与計算ソフトへの連携まで自動化できる点が決定的な違いです。
基本は「使うカードの規格を確認する→従業員とカード識別番号をひも付ける→リーダーを設置して打刻する」の3ステップです。数十名規模なら、機器選定から並行運用を含めて1〜2か月を見ておくと無理がありません。
カードの規格が対応していれば流用できます。交通系ICカードはFeliCa、入退室用の社員証はFeliCaまたはMIFAREが多く、両方に対応したリーダーを選べば選択肢が広がります。判別できない場合はカード発行元に規格を確認してください。
管理者による代理打刻や、Web・スマホからの打刻を例外フローとして用意しておくのが一般的です。修正申請の承認者と期限をルール化しておくと、月末の締め作業が滞りません。
労働時間の記録には保存義務があるため、移行前の紙の記録も規定の期間は保管が必要です。並行運用の期間を設け、システム側のデータが正しく蓄積されていることを確認してから紙の運用を終了してください。
タイムカードをICカード運用に切り替えるやり方は、①カード(社員証など)の規格確認 → ②勤怠システム側でカードIDを登録 → ③カードリーダーで打刻という流れで整理できます。選定時は「FeliCa/MIFAREなどの対応」「PC連動型か独立型か」「接触か非接触か」を先に決めると、候補が一気に絞れます。
特に、出退勤が集中する職場では非接触型の扱いやすさが効いてきます。既存の社員証を活用できるか、将来の拠点追加に対応できるかも含めて、無理のない運用像から選んでみてください。
オフィスや医療機関では、社員証や交通系ICカードを打刻キーに使うことで、シフト勤務や複数拠点の出退勤管理を自動化した事例が増えています。業種ごとの具体的な導入例は以下のページで紹介しています。
費用は機器本体だけでなく、勤怠システムの月額料金・カード発行費・設置台数で変動します。規模別の目安は以下で解説しています。

非接触型のICカードリーダーといっても、利用環境や運用方法によって使いやすい製品は変わってきます。そのため、ここではよくある企業の導入ニーズに合わせておすすめのICカードリーダー3製品を解説します。
| 連携可能な システム |
クラウド勤怠システム※1や独自開発の勤怠管理システム |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | QRコード/顔認証 |
| 通信 | 無線LAN/有線LAN(PoE対応)/Bluetooth |
| 設置方法 | モバイル/卓上/壁掛け |
| 連携可能な システム |
アマノが提供する勤怠管理システム |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | 公式サイトに記載はありませんでした。 |
| 通信 | 無線LAN/有線LAN(PoE対応)/モバイル通信(4G LTE通信)※2 |
| 設置方法 | 卓上/壁掛け |
| 連携可能な システム |
公式サイトに記載はありませんでした。 |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | 公式サイトに記載はありませんでした。 |
| 通信 | Windows, macOSのPCへ接続 |
| 設置方法 | 卓上 |
※1 一部連携していないクラウド勤怠システムについては、カスタマイズにて対応。
※2 それぞれの機能を共存させることはできません。通信方法により機種が異なります。
※3 参照元:キングオブタイム公式HP(https://www.kingoftime.jp/record/)(税込表示)