手書きの出勤簿やタイムカードの集計作業に毎月頭を悩ませていませんか。「勤怠管理をデジタル化したいけれど、高価な専用打刻機を買う予算や置き場所がない」と悩む中小企業におすすめなのが、スマートフォンを活用したICカード打刻の仕組みです。
スマートフォンを使った勤怠管理には、主に以下の2つのパターンが存在します。
こちらでは、初期費用を抑えつつスムーズに導入できる「スマホ×ICカード勤怠管理」の仕組みや注意点について詳しく解説します。
スマートフォンとICカードを組み合わせた勤怠管理は、端末に内蔵された近距離無線通信技術(NFC)を活用することで成り立っています。「読み取る側」と「かざす側」の役割を理解しておくと、自社に必要な環境が把握しやすくなります。
NFC(Near Field Communication)とは、かざすだけでデータ通信ができる近距離無線通信規格のことです。NFC機能が搭載されたスマートフォンにアプリをインストールすることで、スマホ自体を「ICカードリーダー(読み取り機)」として機能させることが可能になります。
日本の交通系ICカード(SuicaやPASMOなど)やモバイルSuicaには、FeliCa(フェリカ)と呼ばれる非接触IC技術が使われています。FeliCa対応の勤怠管理システムを導入すれば、従業員が日常的に使っている交通系ICカードやモバイルSuicaが入ったスマホをそのまま「打刻用カード」として登録・利用できます。新たに専用の社員証を発行するコストや手間がかかりません。
社用スマホや据え置きのタブレットを「読み取り機」として活用することで、従来型のタイムレコーダーにはない多くのメリットが得られます。
最大のメリットは導入コストの削減です。高価な専用タイムレコーダーを購入する必要がなく、既存の社用スマホや、余っているNFC対応端末をそのまま読み取り機として再利用すれば、初期費用を最小限に抑えることができます。
タイムカード用のラックや大型機器を置く場所は必要ありません。スマートフォン1台分のスペースがあればどこでも打刻コーナーになります。また、建設現場やイベント会場、テレワーク先など、オフィス外へ持ち運んでその場で打刻管理を行う運用も容易です。
複雑なログイン操作やパスワード入力は不要です。スマホアプリを開いてカードやモバイルSuicaをかざすだけで打刻が完了するため、機械操作が苦手な従業員や高齢のスタッフでも特別な教育なしで導入当日から簡単に使いこなせます。
手軽に導入できる反面、端末の仕様や運用規模によっては注意すべきポイントも存在します。
すべてのスマートフォンが読み取り機や打刻用カードとして使えるわけではありません。NFCやFeliCa機能が搭載されていない古い機種や、一部の海外製スマホでは読み取り・打刻ができないため、事前に端末の仕様確認が必須となります。また、iOSとAndroidで対応アプリの機能が異なる場合もあるため注意が必要です。
スマートフォンを常時「打刻用リーダー」としてオフィスに置いておく場合、画面表示や通信によりバッテリー消費が早くなります。据え置き運用時は常時給電できる環境の確保が欠かせません。さらに、持ち運び運用を行う場合は端末の紛失・盗難による情報漏えいリスクが伴うため、画面ロックや端末管理(MDM)ツールの導入といったセキュリティ対策が求められます。
数十人の従業員が一斉に出退勤する環境では、スマホ画面での読み取り速度では処理が追いつかず、打刻待ちの列が発生する可能性があります。大人数のオフィスや工場、通信の安定性を重視する場合は、パソコンやタブレットにUSB接続する外付けICカードリーダー(PaSoRiなど)を導入した方が、結果的にスムーズな運用につながります。
自社の働き方や従業員数、設置環境に合わせて、最適な「読み取り環境」を選択することが成功のポイントです。
スマートフォンやタブレットに勤怠打刻アプリを入れ、端末そのものをリーダーとして使う方式です。数人〜十数人規模の小規模オフィスや初期費用をかけずに導入したい企業に向いています。
パソコンやタブレットにUSBで外付けリーダーを接続し、入口に固定設置する方式です。有線接続のため通信と電源が非常に安定しており、出退勤時間が重なりやすい中規模以上のオフィスや工場でも、スピーディに打刻を処理できる点が強みです。
スマートフォンとBluetoothで接続する小型の持ち運び用カードリーダーです。ケーブルレスで取り回しが良いため、建設現場やイベント会場、店舗間を移動するスタッフが多い環境に向いています。管理者が現場に持参し、その場で全員の打刻を行う柔軟な運用が可能です。
スマートフォンを活用したICカード打刻は、コストや設置場所の課題を解決しながら、手軽に勤怠管理をデジタル化できる有効な手段です。従業員にとっても、手持ちの交通系ICカードやスマホのモバイルSuicaをかざすだけで打刻できるため、新たなカードを管理する負担がかかりません。
自社の打刻人数や設置環境に合ったリーダー方式を選び、勤怠管理業務の効率化を目指しましょう。以下のページでは、勤怠管理システムと連携しやすいおすすめのICカードリーダーを紹介しています。導入時の参考にあわせてご覧ください。

非接触型のICカードリーダーといっても、利用環境や運用方法によって使いやすい製品は変わってきます。そのため、ここではよくある企業の導入ニーズに合わせておすすめのICカードリーダー3製品を解説します。
| 連携可能な システム |
クラウド勤怠システム※1や独自開発の勤怠管理システム |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | QRコード/顔認証 |
| 通信 | 無線LAN/有線LAN(PoE対応)/Bluetooth |
| 設置方法 | モバイル/卓上/壁掛け |
| 連携可能な システム |
アマノが提供する勤怠管理システム |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | 公式サイトに記載はありませんでした。 |
| 通信 | 無線LAN/有線LAN(PoE対応)/モバイル通信(4G LTE通信)※2 |
| 設置方法 | 卓上/壁掛け |
| 連携可能な システム |
公式サイトに記載はありませんでした。 |
|---|---|
| ICカードの 種類 |
FeliCa/MIFARE/Type-Bカード |
| その他読み取り | 公式サイトに記載はありませんでした。 |
| 通信 | Windows, macOSのPCへ接続 |
| 設置方法 | 卓上 |
※1 一部連携していないクラウド勤怠システムについては、カスタマイズにて対応。
※2 それぞれの機能を共存させることはできません。通信方法により機種が異なります。
※3 参照元:キングオブタイム公式HP(https://www.kingoftime.jp/record/)(税込表示)